多額の不良資産を抱え大幅な債務超過の状態であった会社が復活を果たした例

多額の不良資産を抱え大幅な債務超過の状態であった会社が復活を果たした例

 老舗の製造業。売上は10億円あるものの、銀行借入はピーク時14億円、さらに子会社への回収困難な債権が6億円、実質債務超過6億円という、身動きの取れない状態に陥っていた。

  本業の収益は出ていたが、税負担と借入金の返済に追われ資金繰りは常に厳しい。子会社も設立以来赤字が続き、現在も本体の足を引っ張っていた。このままでは会社の将来はない。そこで抜本的な改善策として、不良債権の「無税償却」を提案した。表面上の財務は大幅に毀損するが、無税償却が実現すれば税負担はなくなり、利益とキャッシュフローを全額会社に残すことができる。

 慎重に無税償却の可否を検討し可能との心証を固めるとともに、その効果を粘り強くメインバンクに説明、債務超過解消までの経営改善計画を策定することを約束し理解を取り付けた。

 欠損金の繰越期間中には欠損金が使い切れないことがわかり、追加的な利益創出のため含み益を持つ不動産を譲渡するスキームもメインバンクの協力を得て計画に盛り込んだ。また税効果会計を活用し、表面財務の悪化を抑えた。

 子会社についても徹底的なコスト削減に取り組み、単年度収支をぎりぎり合わせられるところまでもっていった後、新会社を設立し事業を譲渡、多額の債務が残った旧会社を清算し、過大債務を整理した。

 数年間にわたる本業の努力、改善策の実行により、欠損金は計画通りに繰越期間内で消化し切った。さらに数年を経て、14億円の借入金をすべて返済し現在は無借金経営を実現している。

 多額の不良資産と巨額の借入を抱え、先行きの見えなかった企業が、財務の抜本改善と収益力の向上により再び復活を果たした。